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 第一回史学「灘の酒の風土と歴史」 2005年9月27日

 会場:櫻正宗記念館「櫻宴」
 講師:櫻正宗(株)生産本部品質管理課長  大島 雄氏
 講義内容
 酒造工程/日本の酒造りの歴史/灘酒の興隆要因/ロ利酒の方法


きき酒用のお酒。下のお酒のどれかを当てれば正解!答えは次回のお楽しみ。
純米 生貯蔵酒「神戸桜」
大吟醸「櫻華一輪」
特別純米酒「宮水の華」
純米原酒 しぼりたて「焼稀」
ロ利酒にチャレンジ
新人君も真剣です
熱心な受講生たち
酒を勧めるスタッフの方
展示コーナーにあった明治時代の酒瓶
開校に先立ち、挨拶される高橋佳子氏(東灘区長/写真左)
授業の前に2つのお願いをされる島津俊之氏(灘五郷酒造組合常務/写真右)
受講生全員に配られた御土産の「花雫」 酒が赤いのは、「幻の赤米」(紫黒米)を使用しているためで、赤ワインの5倍のポリフェノールが入っており体にいい酒とのこと
 
   

 講義会場の「櫻宴」は、阪神大震災で倒壊した木造の酒蔵跡地に「正宗」名発祥のアイデンティティーを後世に伝えるべく、昔の酒器、広告看板、ポスターなどの展示スペースを設け、レストラン、カフェなどを併設して7年前にオープンした処だ。

 櫻正宗はその他「宮水の発見」「協会一号酵母」「高精白米使用」の先駆者としても知られる蔵元だ。受講生の方々はそんな由緒ある蔵元と知ってか知らずか、講義の始まる前からやや緊張気味だ。そんな雰囲気を和らげるように、東灘区長・高橋女史のやさしい励ましの挨拶で第1回の講義は始まった。

 講義内容は2000年の取材「明解!灘の酒大学」に詳しく掲載しているので省略するとして、灘酒の興隆要因の一部をご紹介しよう。


<灘酒の興隆要因>

立地的要因
六甲の寒風(六甲おろし)
  寒風が冷房代わりとなり高品質の寒造りを可能にした。
内海の沿岸
  酒専用の樽廻船で大量に江戸まで輸送できた。
勤勉な丹波杜氏
  比較的近辺から(徒歩で1日)技術に優れた杜氏を得られた。

原料、技術的要因
宮水の発見
  1840年、宮水の発見により、健全で力強い醗酵が可能になり、男性的で秋晴れのする酒が出来た。
良質の摂津、播州米
  天下の台所大阪に近く、良質の酒米を大量に得られた。
急流を利用した水車精米
  いままでの人力精米に比べ、高精白米の大量生産が可能となった。
吉野杉の良材
  吉野杉による大桶(30石入り)は大量生産を可能にした。また杉樽による海上輸送も発展に寄与した。

経営的要因
物事全てに進取的であった。
生産原価意識が高かった。
下り酒問屋による強力な販売網の支援が得られた。
資本力が充実していた。
自由競争の場に恵まれ、隆盛の気運を確固とした。
幾度かの経営危機を経営者の一致協力で克服した。
   
 
----- 以上、講義の一部を抜粋 -----



講義の最後に大島氏が面白い話を披露された。
彼は通勤途中に、五感の感覚を研ぎ澄ますため、次のことを実践しているという。
・ 左右の耳で音楽とニュースを別々に聞く。
・ 新聞を読む。
・ 缶コーヒーで香りと味覚をテイスティングする。
・ 携帯で指を動かす。
これらをほぼ同時に行うそうだ。
聖徳太子は10人の話を聞き分けることができたというエピソードはあるが、現代社会において、五感を鍛えるためとはいえ、かくも涙ぐましい努力をされているとは、驚きである。

20代の若い女性にロ利酒の終了後、どのタイプの酒が好きか訪ねたところ、一番飲みやすい酒は純米・生貯蔵酒「神戸桜」だという。これは当SAKE王国の新人君も同じ意見だった。それに対して、30代前後の女性(日本酒大好き)や60代前後の方は純米原酒「焼稀」や大吟醸「櫻華一輪」がいいという。私も後者の支持だ。このように、世代間や飲酒経験で好みが異なってくるので、各蔵元さんも的確なターゲットに商品特徴をアピールしていく必要がありそうだ。 BYヒデ

さてさて、講義も終わって、1週間後。
新人君を呼び出したヒデさん。
「予告していた、講義の理解度テストやりますよ〜。」
となんだかちょっと楽しそうです。

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