| 伏見工場見学の一ヶ月後、昔ながらの手造り酒やその原理を最新の設備で再現し、主にデリケートな工程を経て造られる純米酒、吟醸酒を中心に製造しているという松竹梅白壁蔵を訪ねた。応対していただいたのは西村工場長と須佐美工場管理課長だ。
初めに白壁蔵の酒造りのビデオを見せていただき、その後で造りの現場を見学させていただいくことにした。いかに業界屈指の設備を導入したとはいえ、手造りと変わらぬ良い酒を造るためには人間が的確な判断を行う必要がある。その判断を下す三谷藤夫杜氏は「酒造りが趣味」とおっしゃるうってつけの方とのこと。杜氏や工場長の指導の元、最新鋭の設備を扱う一方、米の手洗いから始め、蒸米、製麹を手造りで行い五感を磨くことも行っているそうだ。
この白壁蔵では特定名称酒を造っているが、山廃仕込の特別純米酒を甕に入れ三年間氷室蔵※で貯蔵する酒や、桜の花から採取した「花酵母」で仕込んだ吟醸酒等々、ユニークな酒造りもしていると聞く。なぜそこまで多様な酒造りにこだわるのかを西村工場長から伺ってきたのでご紹介しよう。
※ 氷室蔵:四季を通じてマイナス5℃前後の低温で保たれた貯蔵庫。低温貯蔵することで熟成がゆっくり進み、まろやかな味わいになります。
| ヒデ: |
「白壁蔵」起ちあげの経緯を伺えますか? |
西村工場長
(以下N氏): |
設計に三年費やしました。より良いものを安定して造るために品質管理を徹底し、先ず「しっかりした吟醸を一日六トンの米を使用して造る」という目標を立て、次に「そのためには何が必要か?」設備機器の検討を行いました。 |
ヒデ: |
具体的にはどのような設備を導入されたのですか? |
| N氏: |
酒は米を加工するプロセスがあるわけですから、そのために一番良い機器を選ぶという方法があります。精米機がその例で、他社に導入された最新機器を見学し、その中から最適なものを選びました。次に今ある機器に改造を加えた機器、例えば洗米から蒸米までの機器は満足できるものに独自の思想で改良しました。次に、全く新しい機器をメーカーと共同開発しました。製麹機や発酵タンクや圧搾機がそれに該当します。 |
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