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ヒデさんが灘、伏見の大手蔵を突撃取材!!
各酒蔵のこだわりのお酒や製法をご紹介します。

 第3回 黄桜酒造
 第4回 大関
 第5回 辰馬本家酒造
 第6回 宝酒造
 第7回 月桂冠
 第8回 沢の鶴
 第9回 日本盛
 第10回 白鶴酒造


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 今から二十数年前、私のカミさんから「日本に来るフランス人に日本の伝統文化を見せたいが(カミさんはツアーガイドをしていた)どこか良い酒蔵を知らないか?」と相談を受けたことがあった。その時に紹介したのが昔の酒蔵「沢の鶴資料館」だった。その昔の酒蔵は阪神淡路大震災で一度崩壊したが、今は免震構造を備えて以前と変わらぬ昔の酒造り用具や酒造り跡などが保存された重要有形民族文化財として再建されている。

 この蔵元は今では数少なくなった丹波の伝統的なキモト造りを継承し商品化しており、純米酒ブームの到来を予測していたかのように「米だけの酒」といった一味ちがう商品を早くから世に送りだしている。酒造りに対する姿勢が「まじめ」「こだわり」といった印象を受ける蔵元だ。また、この蔵元では以前から大古酒「熟露」という気になる商品を出しているので、その商品について尋ねるべく沢の鶴さんにおじゃました。

 対応していただいたのはマーケティング室で新製品の広告やイベントなどの広報をされている肥爪氏と、醸造部で酒造りは勿論、品質管理や商品開発など醸造に関するいっさいの事をされている今野氏だ。お二人とも日本酒学講師※1の資格保持者で、日本酒に対する造詣はとても深く、今回はいろんな話がお聞きできそうだ。

※1:日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)認定ロ利酒師の上位資格。一般消費者を対象とする日本酒の勉強会などの講師ができる資格でもある。現にお二人は、お得意先様や地元の小中学校の見学者にお酒の話をしているという。沢の鶴さんには現在約百五十名のロ利酒師がいる。

 先ず、肥爪氏から沢の鶴の生い立ちや製造蔵、酒造りに対する基本姿勢などを伺った。米屋からの創業で二百八十九年になるという。製造蔵は四季醸造できる瑞宝蔵、主に高級酒を造る西蔵、大吟醸のみを造る乾(いぬい)蔵があり、蔵の醸造関係者は三十七名で製造しているとのこと。酒造りの基本姿勢としては『米粒を使った伝統の酒造り』を守っているという(いかにも米屋さんからスタートした蔵元らしいですネ)。注力商品は?と尋ねると、即座に「米だけの酒」とおっしゃる。このシリーズだけでも六種類(季節商品含む)もあるという。

 ついで、今野氏に長期熟成酒についてお伺いしたので、その一部をご紹介しよう。

ヒデ:
長期熟成酒は何時頃から造られているのですか?
肥爪(H)氏:
十五年前、十八年古酒「熟露」として商品化しました。現在は三十三年の大古酒「熟露」になっています。
ヒデ:
造り始められたきっかけは?
今野(K)氏:
醸造研究室の技師長をしていた吉川氏※2が定年する前の置き土産として造ったと聞いています。売れなかった酒を古酒にした(笑)とか、始めから古酒として熟成させようとしたとか、様々な説がありますが、実際のところは後者で20〜30年後を見越して品質管理し、貯蔵していたそうです。
※2:吉川憲司氏は『灘の酒用語集』を作られたお一人。
ヒデ:
熟成酒はどのようにして貯蔵するのですか?
K氏:
タンクで貯蔵します。大古酒「熟露」の場合は、始めの十年は常温(室温)で貯蔵し、後に冷蔵(0〜3℃)貯蔵しています。現在、いろんな熟成酒がタンクに眠っています。
H氏:
熟成酒は、三年経つと少なくとも年に一回は熟成の進み具合をチェックします。
K氏:
熟成には『7.5.3の法則』がありまして、三年目、五年目、七年目に味が乗ってくるといわれます。私たち業界では、これを解脱していくと言っています。
H氏:
よろしかったら色んな熟成酒を試しますか?

 

 
昔の酒蔵「沢の鶴資料館」
社屋の写真
瑞宝蔵の入り口
ユニークな商品たち左から大古酒「熟露」、特別本醸造「玉兎」、吟醸「ひとはなぐらす」
製麹室
発酵タンク(立ち上がる泡が 出ないようにプロペラを回して 泡を消します)
発酵タンクの前の今野氏
大吟醸の仕込タンクの前の
出口杜氏
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