5.【奈良漬の歴史】
奈良漬は古代より粕漬として上流社会で珍重され、その歴史は1300年近くも遡ることができます。平城京の跡地で発掘された長屋王木簡にも、「粕漬瓜」と記された納品伝票らしきものがあります。なお当時の酒はどぶろくであったため、粕とは搾り粕ではなく酒の底に溜まる沈殿物を指したと思われます。その後奈良漬は、江戸時代に入り幕府への献上や奈良を訪れる旅人によって普及し、庶民に愛されるようになりました。「ほんのりと
嫁は奈良漬の 舟に酔ひ」とは、瓜漬の半切れを舟に見立てた江戸期の川柳であり、往事の食生活の一端がうかがえます。

