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スコットランド西端に浮かぶ、アイラ島。佐渡島程度の面積で人口わずか4000人程のこの島は、ウイスキー通なら一度は訪れてみたいモルトウイスキーの聖地でもあります。
市場で消費されるウイスキーの95%はブレンデッド・ウイスキーと呼ばれ、複数のモルトウィスキ−(大麦麦芽が原料)とグレインウィスキ−(トウモロコシが原料)がブレンドされているのですが、有名なスコッチウイスキーに必ずと言っていい程使われているのがアイラモルトなのです。
その最大の特徴は、強烈なピート*の香り。ピートがふんだんに手に入るアイラ島の蒸留所では、麦芽作りの際に潮風がたっぷり染みこんだピートで燻す上に、ピート層の中を流れてきた水を醸造に使用するため、自ずとスモーキーなフレーバーとなる訳です。
わずか600平方キロの島内には蒸留所が8つ、全て海辺に建っており、アイラモルトのもう一つの個性である潮の香りはそのせいでもあるようです。実際、熟成用の樽を潮風にさらし、海の香りを十分に付けて使用するとのこと。ウイスキー以外の産業はないに等しく、島全体が深く蒸留所と関わっています。
さて私がアイラモルトに興味を持ったのは今から三年前。ビア&スピリッツアドバイザーの資格試験の講習会で「ボウモア(BOWMORE)」というアイラモルトがテイスティングサンプルとして出され、その潮の香りとピートの燻香にたちまち虜になったのが始まりでした。それ以来「いつかはアイラへ・・」と恋い焦がれて来ましたが、このたび周りの理解と協力のもとに宿願が叶い、カミさん連れのごく気ままな旅として実現しました。
もともと今回は取材ではなく、プライベートな休暇旅行として企画したため、食事メニュー付きのお気楽な旅日記(酒日記?)スタイルで綴ってみました。夜更けに琥珀色の液体など傾けつつ、のんびりゆったりお読み頂ければ幸いであります。
*ピート:水生植物などが枯れて堆積し泥炭となったもの。ウイスキーの原料となる大麦麦芽を乾燥させる際、モルトウイスキー特有のスモーキーフレーバーをつけるためにピートを燃やした煙を使います。

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