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第2回「酒米・宮水の成分と灘の酒の特徴」 【当日の様子】
酒造りに適したお米の条件は、●大粒で●色白で●光沢があり●たんぱく含有量が少なく(たんぱく質はお酒の雑味のモトになるから)●吸水性、消化性が良く●心白(米粒中心部の白い部分)が大きい など。たとえば、酒米の千粒重(整粒1000個の合計重量)の目安は26 g 以上で、食用のコシヒカリの22 gと比較すると、ひじょうに大粒で粒の充実度も高くなっています。酒米は精米の段階で周りの雑味になる部分をほとんど削ってしまうため、一般米よりも大きいことは必須条件です。
現在日本では、和歌山・鹿児島・沖縄の三県を除くすべての都道府県で酒米を栽培しています。中でも作付面積トップの兵庫県は全国で30%のシェアを占めており、「酒米の勉強は兵庫に学べ」という言葉も聞かれるほど。酒米の栽培には高度の技術が求められ、環境的にも“昼夜の温度差が大きく”、“粘土質の土壌”などが必要となりますが、兵庫県は昔からそういった自然環境に恵まれているうえ、酒処・灘への輸送条件にも恵まれていました。
洋食ブームや米の輸入自由化、農業従事者の減少など、米をとりまく環境が年々悪化しているのは周知の事実。平成7年から11年の一般米の作付面積は、100→83%に落ち込んでいます。ところがそんな中で、酒米の作付面積は100→103%に。吟醸酒ブームの後押しなどもあって順調な増加傾向にあります。ちなみに、平成11年に栽培されたお米255品種のうち、酒米は67品種。酒米ごとの作付面積では、トップが五百万石で王者・山田錦が次に続きます。
酒造りでは、「一升の酒を造るためにはその約20倍の仕込み水が必要になる」と言われます。酒造りには、それに適した水と適さない水があり、たとえば一般的に飲まれている水道水やミネラルウォーターでは、おいしいお酒を造ることはできません。宮水が「灘の命の水」と言われ、理想的な酒造用水とされるのは、酒造りに必要不可欠なカルシウムやマグネシウムを多量に含んでいて、お酒の味を悪くする鉄分などをほとんど含まないためです。
杜氏とは、酒を造る職人の頭(または一般的に酒を造る職人)。労働条件の厳しさや後継者不足のため減少傾向にあります。灘酒の発展に大きく貢献したのは、地元・兵庫県出身の丹波杜氏で、灘酒の魅力である「甘・辛・ピン」は、彼らの高度な技術とたゆまぬ努力から生まれました。「甘・辛・ピン」は、「清酒の五味が調和して旨さがもっとも優れた状態」の表現であり、「後味がピリッとしまり、しゃんとしたキレの良い爽快さを感じる酒」を意味します。テレビドラマの「甘辛しゃん」でおなじみの言葉ですね。
日本酒の味や甘辛の変遷には、時代ごとの嗜好がよく表れています。たとえば明治10年頃にもてはやされていたのは、+18ほどの日本酒度のたいへん高いお酒でした。+18というと、口が曲がってしまうほどの超辛口酒ですが、当時の人々の好みにはマッチしていたようです。また、昭和期には一転して甘口酒が好まれました。日本酒の甘辛については、昔から「太平の世には辛口、乱世には甘口がはやる」と言われますが、やや辛口の酒が好まれる現在は、さしずめ平成の世なのでしょうか?
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