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真冬だというのに、春のような温かい日となった2月17日、女王様と大臣は、第5回目となる「灘の酒大学」へとやってきました。
今回会場となるのは、明治の創業以来、昔ながらの酒造りの技と伝統を伝え続けている酒造メーカー・灘泉です。本瓦ぶきの屋根、たて板張りの外観…。震災時は蔵の2階部分が2棟とも崩壊したといいますが、今では見事に再建され、震災前をしのばせる町の面影の一つとなっています。
「震災後はこの辺りも随分変わってしまったが、この蔵を見ているとホッとするのぉ。」
女王様は感慨深そうに蔵を見つめています。
蔵を訪れてまず驚くのは、蔵内いっぱいに広がる昔ながらの酒造り風景。灘泉は、醸造工場であるとともに、泉勇之介社長のご自宅でもあるため、生活の中に、ごく自然に酒造りの道具や蔵が溶けこんでおり、「造り酒屋」という雰囲気がたっぷりなのです。加えて、敷地内には住み込みの蔵人たちが見かけられ、
「もっと奥の方も見て行って下さいよ〜」
なんて優しく声をかけて下さり、蔵の入り口では
「いや〜どうぞ、どうぞ」 と泉社長が気さくに話しかけて下さるなど、蔵内は、温かさもいっぱいなのです。
「温かくて雰囲気たっぷりで、昔ながらの酒造りの情緒を感じるのぉ。」
「まるでお酒と同居しているかのようですなあ。」
甘辛しゃんさながらのその光景に、女王様と大臣も大感激なのでした。
午後6時半。ひんやりとした蔵内の2階で、本日の講義「杜氏のワザと醸造工程」が始まります。
「エアコンも何もないところですが、いや〜今日は温かくて助かりました。みなさん、今日はいろいろと学んでいって下さい」
という泉社長の励ましの後、いよいよ杜氏であり、本日の講師である高橋藤一さんの登場です。
「人前で話すのはあまり得意じゃないですが…」
と開口1番から照れる高橋さんは、はるばる岩手県から5人の蔵人を率いてきたキャリア6年目の南部杜氏。サラリーマン杜氏が多くなった現在でも、夏場は農業にはげみ、11月〜4月の農閑期になると酒造りにやってくるのだそうです。
「私たちは、地域ごとの杜氏協会(高橋さんの場合は南部杜氏協会)から何人かごとに派遣されてやってきます。私は今まで全国各地のいろんな蔵で経験を積んだんですよ。」
そして蔵人たちは、そういった蔵での経験を積みながら、杜氏になるための厳正な試験を受けるのだとか。
「いや〜、杜氏になるまで私も何回試験に落ちたことか…。」
高橋さんは苦笑します。
少し緊張しながらも、一生懸命に酒造りのことを話す高橋さん。少し訛った口調と、お酒のことを話すときの真剣な表情がとても新鮮なのでした。
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