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酒材班がゆく Vol.12「大神神社・醸造安全祈願祭」を訪ねて PAGE4
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■人間国宝が演ずる渾身の芸に、思わず鳥肌
拝殿前の中庭では、振舞酒のテントに人だかりができ、各蔵より奉納された四斗樽の酒が順を追って参拝者へ振る舞われています。我々が到着した頃はちょうど石川県「福正宗」と愛知県「ねのひ」の呑口が切られたところ。 「ンも〜、よっぱらあ〜っちゃったよおん」 なんて声も周りから聞こえてきます。そして隣の見知らぬオッチャンから:
「この次は『三諸杉(みむろすぎ)』だと思いますよ」
との耳より情報を寄せられたヒデさんは、思わず:
「ほお『三諸杉』ですか、よろしいですなあ」
と意気投合。どうやら奈良の地酒として知る人ぞ知るブランドらしく、通の人は皆、毎年この酒が振る舞われるのを今か今かと待ち受けているそうな。 また大勢の男性に混じって、女性の“飲んべえ”グループもちらほら。
「日本酒ってまだ女性に浸透してないので、こうして公の場で堂々と飲めるのがうれしいですね。しかも普段飲めない珍しいお酒もたっぷり飲めるし」 といかにもうれしそうな二人組ともお友達になっちゃいました。

さてほろ酔い気分で境内をウロウロしていると、社務所の方で「直会なおらい:祭りの後、供物・酒のお下がりなどを一同で分けて食べる宴会)」が行われているとのおいしい情報をゲット。さっそく会場へ向かいます。 中に入ると、会場正面の舞台では、折しも人間国宝・茂山千作先生による狂言「鬼瓦」が演じられている真っ最中。狂言などにはとんと縁のない当方も、人間国宝による渾身の芸にぐいぐいと引き込まれてしまいます。
「人間国宝」茂山千作先生による狂言「鬼瓦」。その朗々たる声は会場の外にも響きわたっていました
公演が終わると昼食会となり、我々も神主さんのはからいでご相伴にあずかることに。メニューはお赤飯、煮物、揚物、魚などがバラエティ豊かに盛り込まれた幕の内風。これに三輪そうめんのお吸物と、うれしい御神酒付き。 おまけに、ありがたく御馳走になっている我々の前に神主さんたちが入れ替わり立ち替わりお見えになり:
「お腹一杯飲んで食べて下さいよ。大いに酔っぱらって陽気になって頂いてこその祈願祭ですから」
と気安くお酌をして下さるので、恐縮するやらうれしいやら。そして最後には、先ほどの神事を司っておられた木山宮司にもお話を伺うことができました。
「最近は不景気続きですからね。酒造メーカーさんの『今年も良いお酒を』という、生き残りをかけての切々たる思いが伝わってくるので、祈願祭では毎年緊張しますよ」
宮司さん自身「お酒は大好きなんですよ。でもね・・・」、以前に胃を悪くされたことがあり、仕方なく酒量を控えておられるとか。
「うんと飲みたいんですけどねえ、本当はねえ・・・」
何とも言えない表情を浮かべるこの道50年(!)のベテラン宮司さんに、たまらなく親近感を覚えてしまう酒材班でありました。
 
ふるまい酒会場に吸い込まれてしまったヒデさん


「次は『三諸杉(みむろすぎ)』だと思いますよ」と教えてくれた謎の酒通氏



お弁当と御神酒に思わず「ありがたや」











この道50年の木山宮司。大ベテランでも、この醸造安全祈願祭には一種独特の緊張感を覚えられるそうです

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