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酒材班がゆく!
vol.18「灘酒全銘柄が大集結!ある小さな居酒屋の奇跡」

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■退職金をなげうち灘酒の“伝道者”に
パーティ会場入口にて。「SAKE HOUSE 駒」井出店主

2002年9月1日の昼下がり、イベントホール「神戸酒心館」で、「百人一酒」と題したささやかなパーティが催されました。参加したのは、一言で云えば“灘酒を愛する飲んべえ達”およそ160名。但し顔ぶれをつぶさに見ると、有名大手蔵のトップを含む灘五郷全35銘柄の関係者が、一般の酔客に混じって赤ら顔で談笑しています。
(ムムッ、これは清酒業界を牛耳るよほどの大物のパーティか、あるいは高級料亭の凄腕美人女将を囲む集いか・・)
などと思いきや、実はこの日の主役は、20人も入れば満席という、神戸・御影にある小さな居酒屋のオヤジ。それも老舗には程遠い、開業6年目という歴史の浅いお店であります。

店内はいつも常連さんで一杯

店の名は「SAKE HOUSE 駒」。店主の井出一正さんは、櫻正宗で営業マンとして定年まで勤め上げた後、長年世話になった灘酒のすばらしさを後世に伝承していきたいという思い一つで、なけなしの退職金を元手に1997年9月にたった一人で開業。周りからは、退職金をドブに捨てるようなものだと呆れられたそうです。
「台所にも立ったことのない全くの素人の再出発、丸裸でのスタートでした」(井出さん)

灘の蔵元で使っているきき猪口のコレクション

音楽も、色気もない、手の込んだ料理も出ない(電話さえ置かない!)。そんな井出さんの店「駒」が、この5年間で知る人ぞ知る繁盛店となったのはなぜか。それは他でもない、灘酒に対する井出さんの深い愛情と、その愛情が生んだユニークなアイデアでした。

 
「駒」の外観(神戸市東灘区御影本町4-4-15/阪神「御影」駅下車南へ徒歩2分 電話:なし)


カウンター内の井出さん


天井には震災で倒壊した酒蔵の板塀を譲り受け、壁は大桶と同じ杉板を使用


燗酒は最もおいしいとされる銅製のちろりで湯煎されます


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