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寒風が吹きすさぶ冬の夕暮れ時。阪急西宮北口の駅前に、白い息を吐き、小刻みに貧乏揺すりをしながらたたずむ怪しい二つの人影がありました。
「うー、さぶっ。こんな夜はやっぱり燗ですよね、ヒデさん」(助手)
「燗なら生もと系のしっかりしたお酒がいいですネ。生もとの場合は乳酸の・・・(中略)・・・電子レンジはいけません、湯煎で42℃前後に・・・(中略)・・・肴もうるめいわしなどを軽〜く炭であぶって・・・(略!)」(ヒデさん)
と果てしない講釈が続くところへ、小じゃれたライトブルーの1BOXカーがスルスルっと近づいてきました。車体側面にはデカデカと「あるちゅう行 飲兵衛特急」の文字。運転席には気難しそうなヒゲ面のオヤジ。
(あるちゅう行?って事は、今夜は正気では帰れなくなるかも・・・)
などと思いつつ後部座席に乗り込むと、おもむろに振り返ったヒゲのオヤジは、思いがけず人なつっこい笑顔でお出迎えしてくれました。
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