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vol.19「個性派オヤジ奮闘記〜ある酒屋の取り組み」 PAGE3
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■ある時は運転手、ある時は居酒屋のオヤジ

「ヒデさん、こんなところに『阿留酎』って書いてますよ」

なるほど「阿留酎」(あるちゅう)というのは、酒の蔵たけなかの地下にある居酒屋の名前で、竹中さんは居酒屋の大将でもあるのでした。
「お客さんとゆっくり話しながら飲みたかったので、12年前に店を移転したのをきっかけに作ったんです」
試飲スペースのある酒屋は今どき珍しくないですが、居酒屋まで作るところがこの人のオモロイところ。おまけに酒だけでなく料理の質も高めようと、つい数年前に思い切って料理学校にも通ったとのことです。五十の手習いはさぞかし大変だったのでは?と聞くと:
「いやいや、若い女の子たちといっぱい知り合えて楽しかったですよ」
と当時を思い出したのか、何やらうれしそうに目を細める竹中さんでした。

「まあまあ、お話は飲みながらゆっくり伺う、と言うことで・・・」

「では冷用と燗用の酒を1本ずつ選んで地下に下りましょう」

という訳で、2週間前に搾りたてを瓶詰めした秋鹿純米吟醸/槽搾直汲と、ぬる燗で飲ると旨い大七純米生もとを手に、階下の「阿留酎」へと向かいました。

日本酒のセラー



階下の居酒屋「阿留酎」の入口。何やら秘密めいた雰囲気が


お客さん専用の酒庫「SAKE BANK」

市場のショーケースで注文するヒデさん

海の幸・山の幸が並ぶ様はまさに市場そのもの
■そして、ある時は市場の大将

ここのシステムは、酒屋で気に入ったお酒を選び、容量に応じて300〜500円の持込料を払えば自由に階下で飲めるというもの。飲み残した場合も、そのままお客さん専用の酒庫「SAKE BANK」でキープしてくれるから、量が飲めない人でも安心。もちろんお持ち帰りもOKです。

まずは乾杯!とばかりに、ほどよく冷えた秋鹿の槽搾直汲を一献。搾りたてのフレッシュな、それでいてコシのある味わいが口の中に広がります。ではこの酒に合うアテを、と卓上や壁面を見渡した二人でしたが・・・

「あれ?肴のメニューがどこにもない!」

周りのお客さんを見ると、皆おいしそうに料理をつまんでいます。不思議に思い店の人に聞いてみたところ、奥の階段を上がると市場があるので、そこで好きな食材を選んでくださいとのこと。

(市場で選ぶって?)

首を傾げつつ言われた通りに奥の階段を上がっていくと、確かにそこには、この店の「第三の顔」=「西宮夜市場」の風景が眼前に広がっているのでした。


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