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厳しかった残暑がほんのわずか和らいだ9月4日。“味覚人飛行物体”の異名をとる東京農大の名物教授(農学博士)・小泉武夫氏の講演が神戸で行われると聞き、例によってヒデさんと助手1名は阪神電車を乗り継いで、灘・御影郷にある神戸酒心館へと向かったのでありました。
「いや〜小泉センセーはネ、ボクと同じ福島出身なんですよ。造り酒屋にお生まれでネ、酒について書かれておられる色々な本もそりゃ面白いのなんのって、中でもネ・・・」
お酒のウンチクを語らせたら王国随一のヒデさんにとっても、同郷の先輩であり、世界の酒や食について無尽蔵とも言える知識をお持ちの小泉教授はまさに別格。何となくそわそわと楽しみな様子であります。
会場となる神戸酒心館は、王国ファンの方なら「灘の酒大学・SAKE王国分校」などですでにおなじみ、灘五郷の中堅メーカーである福寿酒造と豊沢酒造の共同出資によりオープンした観光酒蔵です。
同館ではこの9月より「酒蔵文化道場」と題して、「酒蔵で気楽に、広範囲にわたって各分野の専門家のお話をお聞きし、あとお酒と料理を楽しんでいただくという企画」で参加者を募集しており、今回はその栄えある第1回目にあたります。
「実は、創業二百年を迎える東京の有名などじょう料理の老舗『駒形どぜう』というお店に、通算百回以上も続いている『江戸文化道場』という人気催事があるんですが、かつて一度参加させて頂いた際、その和気あいあいとした雰囲気と楽しさにすっかり惚れ込んでしまい、ぜひ酒心館でもこんな催しを開きたいと思ってこの『酒蔵文化道場』を企画したのです」
と安福館長が開会のご挨拶。続いて当の「駒形どぜう」渡辺社長が壇上に。
「道場と名付けたのは、単にドジョウをもじったシャレなんですよ。100回を区切りにやめるつもりだったんですがね、どうにもお客さんがやめさせてくれません」
と噺家風の軽妙な語り口で聴衆の笑いを誘います。
そしていよいよお待ちかね、小泉武夫教授の登場です。演題は「21世紀は発酵革命で始まる」。酒蔵での講演とは思えない硬派なテーマです。
ちなみに現在の小泉氏は本業である農大教授としての職務の傍ら、講演会やTV出演はもちろんのこと、お酒や食品関係の著作も数多く世に出され、その上大衆作家としても只今「小説現代」に時代小説を連載中。まさに八面六臂の大活躍といったところです。
まずは近著「納豆の快楽」を手に、“納豆”談義から講演はスタートします。珍しい食を求めて世界を駆け回る小泉氏ですが、行く先々で同行者が全員腹痛に襲われるような過激な食環境でも、納豆さえお腹に入れてしまえば自分は絶対食あたりにはならないとのこと。氏にとって納豆は、まさに一番の必携食かつ常備薬と言えるようです。
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