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酒材班がゆく mini5 「ヒデさん、小泉武夫博士に会う」 PAGE2
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■納豆、環境問題、世界一臭い缶詰の話・・

「江戸時代、納豆はご飯にかけるより納豆汁として食べるのが主流でした。それに関西では納豆を食べないと言われますが、その昔関西で納豆を詠んだ俳句や歌が結構残っています。例えば「朝霜や室の揚屋の納豆汁」という与謝蕪村の句は、彼が室津(兵庫)を旅した時、一夜を共にした遊女が翌朝納豆汁を運んできた情景を詠んだ、何ともうらやましい一句なんです」(ん〜ねばねばした納豆で秘め事を暗示させる辺りも、さすがは蕪村といったところですかね・・・by助手)

「赤ワインが健康に良いと言われてから、猫も杓子も赤ワインといった感じですが、納豆の方が血栓を溶かす力ははるかに高い。血栓症患者の臨床でも使用されており、『百万円の新薬より百円の納豆』と言われる程です」

「発酵技術と聞くと酒、納豆など口から入れる物を思い浮かべがちですが、実は飲食分野が占める割合は17%に過ぎない。では残りは何か。医薬品、化学製品、酵素開発、エネルギー、そして環境分野と多岐にわたっています。まさに発酵技術は、21世紀の暮らしを支える技術なのです」

「そして今、ボクが一番燃えているのは生ゴミや廃棄物を発酵させて土を作る、即ち環境問題での活用です。通常5年もかかる堆肥作りが最先端の発酵技術ならわずか20日間、それもダイオキシンなどの汚染と無縁の本当に良い土ができます。農薬に頼らず、堆肥で作る有機野菜は栄養成分の面でも優れていて、味も本当に美味しい」

“食いしん坊”で名高い教授の口調にだんだんと熱気が溢れてきます。

「子供がキレるとか少子化の問題などが騒がれていますが、これらは近代農法による亜鉛不足が共通要因になっています。亜鉛は精子や遺伝子作りに不可欠の栄養素である他、不足すると味覚失調、情緒不安定、老人性痴呆症の引き金になるとのデータもあります。食べ物一つで国が変わってしまう、本当に恐い事です。堆肥で農作物を作っていた時代にこんな問題はなかった。誰かが動かないとダメなんです。だからボクは仙台、高知などで地方自治体を巻き込んで、土作りから日本を作り直そうと懸命に取り組んでいます」

あっという間の一時間。まだまだ話足りない教授は、質疑応答の時間にも「世界一臭い缶詰をレストランで開けて119番通報された話」「30年貯蔵のさんまのなれ寿司の話」など豊富な食の話題で聴衆を魅了し続けます。 そして最後は「ああもう1時間あればもっと面白い話をお聞かせできるのに・・・」と名残惜しさを身体中で表現しつつ、締めくくりの福寿「凍結酒」を全員で賞味しながら講演はお開きと相成りました。

なお終了後、半数以上の方々は酒心館内のレストラン「さかばやし」に席を移し、教授を囲んでの食事会に参加。急な取材で予算が取れず指をくわえて見ていた酒材班を尻目に、皆さんは「鮎の豆花焼」「フォアグラ豆富のきのこあんかけ」などを肴にオイシイ大吟醸酒を堪能されたのでした。

 
「9月生まれの方!私の著作をサイン入りで進呈します」とラッキーな展開に、幸運な3名の参加者もニッコリ


講演の締めくくりは全員で心地よ〜く冷えた福寿「凍結酒」で乾杯!


小泉教授と名刺交換して大はしゃぎのヒデさん。


講演後、教授を囲んでのお食事会が開かれた「さかばやし」


講演の緊張感もほぐれ、小泉教授も本格的な料理と銘酒にご満悦(正面左。右隣は「駒形どぜう」渡辺社長)

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