| 「蔵元を囲むそばの会」取材記 PAGE2 | ||
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| ■いきなりの鑑評会仕込2種で華々しくスタート | ||
定刻の6時半、伊藤さんのご紹介を受けた下村専務のご挨拶で、「蔵元を囲むそばの会」の幕が開きました。下村酒造店は明治17年創業で、地元兵庫の山田錦や夢錦などを原料米に、但馬杜氏が林田川の伏流水で丹念に仕込みます。箱麹で製麹し、酒母の半量以上は山廃もとによるなど手間を惜しまない造りで知られ、平成4年度を皮切りに全国新酒鑑評会で3度金賞を受賞。酒通の間でじわじわと人気を高めている蔵元です。 「本日伊藤さんが用意されたリストを見ると、ひと夏以上寝かせた、人にたとえるなら成人して味に深みの出た酒が中心となっており、本当の奥播磨の旨味を堪能して頂けるものと思います。中には私どもにさえ一本も残ってない酒もあり、私自身も楽しみです。・・・昨秋は山田錦の不作が懸念されていましたが、『米の良さと味をいかに引き出すか』をテーマに長年培ったノウハウを十分に活かし、今期も皆様にご満足頂ける味が造り出せたと思います。まもなく新酒も出回りますのでその節はぜひご賞味下さい」とのお言葉がありました。 それにしても、今日の酒はてっきり蔵元さんからの提供かと思いきや、実は全て伊勢屋さんがこの日のために大切に保管しておいたものばかり。蔵元さんは純粋にゲストとして招かれていたという訳で、この辺りに伊藤さんの心意気を感じます。 またこの日は、「十四代」などと共に颯爽と登場し一気に日本酒ファンの心をとらえた「綿屋」の三浦幹典・金の井酒造(株)(注2→)専務も、宮城県より遠路はるばる出席され、仲良く同じテーブルで談笑されています。 「個人的に奥播磨には注目していたので、今日は是非にと押し掛けました」と三浦氏。どちらも蔵の跡継ぎとして、世代的にも立場的にも、更には酒造りに対するこだわりと意欲の点でも同士的な感覚をお持ちなのでしょう。日本酒応援団を自認するSAKE王国にとっては何となくうれしい光景であります。 前置きはこのくらいにして、いよいよ酒と料理の登場と参りましょう。 付きだしの「蕎麦豆腐」と共に登場した酒のトップバッターは、何と鑑評会出品用に別仕込をした平成9年大吟醸「仕込39号」と「仕込41号」。いきなりの真打ち登場といったところでしょうか。関西のほんの一部の酒屋にしか出回っていない、まさに幻の酒です。適度に冷やされたそれぞれの瓶が、手から手へと渡り各自の手酌で注がれます(この鷹揚さがまた良し)。目安はワイングラスの約半分。まずは39号のグラスに顔を近づけ、器から立ち上る香りを嗅ぐと、想像以上の華やかで上品な香りに思わず感嘆の声があがります。次にわずかな量を口に含み、舌全体に転がすように味を楽しむと、かすかに南洋系のフルーツを彷彿させる複雑な味わいが口中に広がり、喉を通った後もしばらく余韻が残ります。口当たりは極めてスムーズ。鑑評会用の酒って、こんなに旨いものだったのですねえ。横の伊藤さんも一瞬ホスト役を忘れ、「うまいわ、たまらんわ」を連発しております。 続いては「仕込41号」。こちらも香りは華やかながら、39号の南洋系とは違ってややシンプルでおとなしい印象があります。でも米も造りも同じなのに、なぜこんな微妙な差が現れるのでしょうか? 「酵母が違うんですよ」と下村専務。そういえば米や水よりも、酵母の違いこそが香りを大きく左右すると、何かの本で読んだことがあります。ああ奥が深いぜ。 |
![]() 開会の挨拶をされる伊勢屋の店主、伊藤さん ![]() 「米の良さ、味をいかに引き出すかがテーマ」と語る下村酒造店・下村専務 ![]() 東北の雄「綿屋」こと金の井酒造・三浦専務(左)も宮城県より特別参加 (注2→) 金の井酒造(株): 宮城県栗原郡一迫町字川口町浦1-1 TEL(0228)54-2115 ![]() あぁ、おいしそう。 |
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