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「蔵元を囲むそばの会」取材記 PAGE4

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■蔵元にとっても思い出深い、幻の一本が登場

菜の花の辛子和え・いかなごの釘煮箸休めといった趣の「菜の花の辛子和え」と「いかなごの釘煮」を頂いて一息ついた後、いよいよ酒も料理も一気にクライマックスへと向かいます。
登場したのは、「大吟醸山田錦38%」の平成8年及び平成9年もの。今度は年度違いの飲み比べで、蔵元にさえ一本も残っていない貴重品です。
ところが悔しいかな、下村、三浦の両氏からあれこれ興味深いお話を伺っているうちに、うっかりと平成8年度版を飲み損ねてしまったのでした。「ああっ、ボク飲んでないです」と思わず声を上げたものの後の祭り。一升瓶は無情にも空となってテーブルの上に。諦めきれない想いを胸に、その分平成9年度版の大吟醸を心を込めて頂きました。鑑評会バージョンやおりがらみとはひと味違い、華やかさの中にしっかりと旨味の乗った、いかにも奥播磨らしいバランスの取れた逸品です。
迎え撃つ料理の方は、紫蘇の葉が香ばしい「蕎麦の実のとろろ和え」。ぬめりにくるまれた蕎麦の実の柔らかな食感が、大吟醸と口中で程良くマッチします。続いては茶そばを海苔や薄揚げでくるんだ蕎麦寿司二種と、茄子田楽に煎った蕎麦の実をふりかけた「蕎麦味噌田楽」。濃厚な味に後押しされて、酒杯のピッチはますます上がります。

蕎麦の実のとろろ和え
蕎麦の実のとろろ和え
蕎麦寿司二種
蕎麦寿司二種
蕎麦味噌田楽
蕎麦味噌田楽

さていよいよ酒のトリを務めるのは、「平成4年大吟醸山田錦40%」。
「平成4年度は、私どもが初めて金賞を頂いた思い出深い酒造年度です。もちろん蔵には一本も残っていません。ここで飲めるのは私にとってもうれしいことですね」と、下村専務が周りの方に話しておられる声が聞こえてきます。皆さんも口々に「旨い」「美味しい」と絶賛です。
ただある方が「やはりこの平成4年度のやつが最高なんでしょうな」と述べられた時、下村専務が笑顔でこう答えられたのが印象的でした。
下村専務「思い出深い酒なのでそう言って頂けるのは大変ありがたいのですが、私の中では、奥播磨は年々美味しくなっていると信じて造っていますので、本当の最高はきっと今年造ったやつだと思いますよ」。
蕎麦米雑炊ああ、今年の新酒が待ち遠しい。 そして料理の方も、蕎麦の実を吸い物出汁で煮込んだ熱々の「蕎麦米雑炊」で締め。酒呑みの心と体を温かくいたわってくれる優しい一品が、この日の満足感をじんわりと高めてくれます。
しばらくは談笑の輪も解けず、幸福なひとときが流れましたが、やがて時計の針は午後9時を回り残念ながらお開きの時間。「伊勢屋さん最高!」伊藤さんと、陽気なかけ声が飛び交う中、それぞれが思い思いに家路に着きます。
「ほんまに旨い酒はね、こうして値打ちの分かって下さる方々と分け合って楽しむからいいんですよ。こうして飲まなきゃ嘘ですよ」。
長い緊張感から解放された伊藤さんは、笑顔でしみじみと語ってくれました。


という訳で取材はおしまい、といいたいところでしたが、「奥播磨」「綿屋」の両蔵元を囲む輪は結局解けることなく、有志一同タクシーを連ね、伊勢屋さん直営の洋風居酒屋「Ragout(ラグー)」(注3→)へ。
今度は「綿屋」の吟醸と、ハンサムなシェフの特選料理に舌鼓を打ちつつ、宴は夜更けまで延々と続いたのでありました。

困った(?)人たち
「奥播磨」「綿屋」の両蔵元次期当主を囲んでの二次会。
帰りたがらない困った(?)人たちでいっぱい

  極上の酒とそば料理に大満足
酒にうるさい面々も極上の酒とそば料理に大満足

酒がすすめば...
酒がすすめば...
....みんな仲良し!
....みんな仲良し!
伊勢屋さんサイコ〜!。
伊勢屋さんサイコ〜!。
がっはっはっは。

(注3)Ragout(ラグー):
兵庫県宝塚市清荒神1-17-18 TEL(0797)81-2000
 
伊勢屋の地下にある直営の洋風居酒屋。

Ragout(ラグー)
シェフは年齢こそ若いが、研究熱心なフランス仕込の本格派。ワインと日本酒に合うオリジナルメニューを多数、季節に応じた日替わりで取り揃えている。日本酒は「奥播磨・袋吊り斗瓶取り」や「綿屋」吟醸各種など通好みの品種をグラス1杯700〜1000円前後のリーズナブルな価格で提供。ワインも多数。月曜定休。
Ragout(ラグー)
Ragout(ラグー)
みなさん、きてくださいね〜



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