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日本酒醸造実習・体験ルポ PAGE3

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◆「工程のどれ一つとっても手が抜けない」と、おやっさん

酒造の実習も終わり、杜氏(おやっさん(注))を囲んでの座談会でさすがおやじさんす。

おやっさんは生粋の丹波杜氏(注)で、18歳から蔵に入り51歳で杜氏になったとのこと。現在蔵人は総勢100名(注)で、2名の杜氏が彼らを取りまとめています。

「蔵に入って2、3年はとにかく眠かったです。いろんな思い出がありますが、辛かったのは結婚したばかりの秋、10月の蔵入りを前にカミさんに泣かれた時ですな(^_^)」

と、若かりし頃の微笑ましいエピソードまで登場。
ただ、どの工程が一番難しいですか、との愚問には

「蒸米から火入れまで、全部の工程のどれ一つとして手が抜けません」


ときっぱり。

穏やかな笑顔の中に、酒造りの厳しさを身体の隅々にまで刻み込んだおやっさんの誇りが垣間見られました。

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こうして座談会の後は、少し肩のチカラを抜いて鏡開きの実習。
よく祝いの席で「せ〜の〜」とやる例のアレであります。

前日見学した樽の菰を鎌で切り、祝いの席ですぐに使えるようあらかじめ蓋を少し割っておく(ご存知でしたか?)わけですが、これもそう簡単にはいかず、貴重な経験となりました。

以上で実習プログラムは終了です。
 
おやっさん
   杜氏に呼びかける時の呼称です。
 
丹波杜氏(たんばとじ)
  兵庫県多紀郡、氷上郡の杜氏で、主として兵庫県、特に灘五郷の酒蔵に従事する杜氏として有名。
菊正宗酒造の杜氏は
●嘉宝三番蔵
  籾井計三 杜氏
●嘉宝五番蔵
  小島喜代輝 杜氏
 
総勢100名
嘉宝三番蔵・五番蔵各50名弱。総勢100名
  どりゃっ!!

◆真剣に造られた酒には、酒徒として真剣に向き合うべし

もう、いただいてま〜す。午後4時すぎより、醸造実習をした蔵の夕食(注)にご相伴させていただきました。今回は蔵人さんたちも一緒で、卓上には大きなやかんにたっぷりの日本酒(いつもよりたくさん用意してくださったそうです)が無造作に置かれ、イイ雰囲気です。
私の隣には岩手出身の蔵人さんが座り、酒を酌み交わしながら色々とお話を伺ったわけですが、その方の東北弁が、福島生まれの私に或る記憶を思い起こさせてくれました。
 


夕食
  蔵では通常の夕食が午後4時からだそうです。
なにせ、朝が早いですから。

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まあ一杯それは幼い頃、食事中に何気なく茶碗の中のご飯粒を落としてしまい、親父に叱られ蔵の中に閉じこめられた思い出でした。「大切な米を粗末にするな」との、今にして思えば少々厳しすぎる(?)教えでしたが、今回わずかながらも酒造りを体験し、蔵人の方々が米を大切に慈しむ姿を目の当たりにし、かつての情景が懐かしい東北弁と共に甦ったのでした。

そして夕暮れ迫る午後5時より修了式が挙行され、28時間にわたる醸造実習はつつがなく幕を閉じたのでありました。

一泊二日の実習だけでは決してエラそうなことは言えません。ただ、酒歴30年にして初めて酒造りを体験し、蔵で働く方々が真剣に酒と格闘する姿を見るにつけ、酒徒としてこちらも真剣に酒と向き合わねば、と決意を新たにした次第であります。

最後になりましたが、インストラクターの皆様、おやっさんをはじめとする蔵人の皆様、
本当にありがとうございました。
おとうちゃ〜ん
感謝。

今回取材した日本酒醸造実習は、菊正宗酒造様が、得意先研修の一環として開催している研修会です。

一般の方に対しては同社主催の「日本酒通信講座」
スクーリング
として(一部内容は変わります)開催されています。

興味を持たれた方は、
菊正宗ホームページ(http://www.kikumasamune.co.jp/)をご覧ください。


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